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不動産は生前贈与すべき?どれくらい相続税がかかるのか、手続きや注意点を解説

不動産を生前贈与することで得られるメリットとして、財産の所有者が任意の相手に適切なタイミングで財産を譲渡できるということが挙げられます。
生前贈与には節税効果が期待できる方法もありますが、贈与者と受贈者の関係性やタイミングによっては、かえって税金がかかってしまうケースもあるでしょう。

本記事では、不動産を生前贈与する際のメリット・デメリットを踏まえ、相続税対策を考慮した不動産の贈与について詳しく解説します。

不動産(土地・建物)を生前贈与するメリット

不動産(土地・建物)を生前贈与するメリット

相続とは、所有者が亡くなった後の財産を相続人が受け継ぐための手続きです。
一方、生前贈与とは、財産の所有者が生きているうちに相続人やその他の親族、第三者などに財産を譲ることをいいます。
このときの財産とは、現金や預貯金、株式や投資信託などの有価証券、金その他家財など金銭的価値のあるすべてのものが対象です。
もちろん、土地や建物、分譲マンションなどの不動産も含まれます。

まずは、不動産を生前贈与することで得られるメリットについて説明しましょう。

引き継がせたい相手に確実に贈与できる

生前贈与の最大のメリットは、所有者の意思で譲りたい相手に必ず贈与できるという点です。
相続の場合、遺産を受け継ぐことができるのは基本的に法定相続人に限られています。
法定相続人とは、被相続人(亡くなった人)の親族・血族のうち一定の条件を満たす人のことです。
その範囲は法によって定められているので、遺言書や生前贈与をしない限り、相続人の協議に委ねることになります。

不動産の相続はトラブルになる可能性も

通常、遺産分割の方法は「遺産分割協議」か「法定相続」の2種類です。

●遺産分割協議とは
遺産分割協議は、相続人全員で誰が何の遺産をどのくらい受け取るかを話し合う場です。
成立には相続人全員の合意が必要なため、相続人の人数や関係性によってはスムーズに決着しないケースもあるでしょう。

●法定相続とは
法定相続とは、法定相続分という民法によって定められた割合に従う分割方法です。
このとき、共同して現金化しやすい金融資産以外の不動産や動産の類は、共同相続人による共有財産となります。
共有財産は、共同相続人の全員の同意がなければ自由に処分できないため、将来のトラブルの種となるかもしれません。

遺言書による遺贈先の指定

被相続人は、生前にあらかじめ遺言書を作成することで、所有財産の行く先を指定することができます。
このことを遺贈といい、相続人に限らず、他の親族や第三者を指名することも可能です。
遺言書のある相続では遺言書の内容を最優先とするため、被相続人が自らの意思に沿った財産分与を行う手段としても遺言書は有効だといえます。
ただし、遺言書には厳密なルールがあるため、作成時には徹底したルールの確認を行うことが重要です。

●遺留分に注意
相続人は、法律によって最低限の相続割合を保証されています。この割合を遺留分といいます。
遺留分侵害を受けた相続人は、遺留分の保証額と実際の取得額との差額を金銭で請求することができます。

よかれと思って指名した遺贈が、トラブルの元凶になるかもしれないということを知っておきましょう。

節税対策が図りやすい

相続は被相続人の死亡によって発生するため、いつ発生するのか誰にもわかりません。
一方、生前贈与は財産所有者の任意のタイミングで着実に実行できるのがポイントです。
上手く活用することで、節税効果を高めやすくなるでしょう。

値上がり分の差額を節税できる

将来、値上がりしそうな不動産や有価証券、金などは早めに生前贈与しておくと将来の相続税を節税できる可能性があります。

贈与税と相続税は共に累進課税制度で、財産合計額が高額であればあるほど税率も上がることになります。
価値が上がる前に生前贈与を済ませておけば、値上がり後の価値との差額分を節税できるというわけです。

収益分の相続税を節約できる

賃貸のマンションやアパートなど収益性のある不動産は、相続開始時点でたまっている収益ごと相続財産とみなされます。
そのため、その収益がたまる前に生前贈与しておくことで、収益分の課税対象額を減らすことができるでしょう。
また、以降の収益は受贈者の財産となるため、相続税や贈与税の対象となることはありません。

つまり、早い時期に生前贈与をすることで、贈与から相続開始までの期間で得た収益分の税額を節約できるというわけです。

認知症対策にも有効

厚生労働省の発表によると、2024年4月時点の日本人の平均寿命は「男性79.64歳、女性86.39歳」となっています。
一方、認知症を発症している人の割合は75歳以上で10人に1人(10.9%)となり、85歳以上では2人に1人(55.5%)に達するというデータもあるのです。

もし認知症を発症して判断力が低くなると、下記のようなリスクが高まるでしょう。

●所有者が認知症になった場合
財産の所有者が認知症を発症し判断能力が低下すると、財産の管理や適切な贈与ができなくなる可能性があります。
また、相続トラブルを避けるための遺言書の作成も難しくなるでしょう。

●法定相続人が認知症になった場合
法定相続人の中に認知症によって判断能力が低下した人がいる場合、そのままでは遺産分割協議を行えません。
遺産分割を進めるためには、成年後見制度の利用が不可欠です。
成年後見制度には、あらかじめ本人が後見人を選んでおくパターンと、家庭裁判所が成年後見人を選ぶパターンがあります。
いずれにしても成年後見人は被後見人の財産を守ることを使命とするため、家庭裁判所は相続人とその配偶者や子は後見人に選ばず第三者を選任します。そうすると、相続人らの意思を尊重した柔軟な対応はできないでしょう。

さらに、判断能力の低下は認知症以外にも事故や病気などでも生じる可能性があります。
これらを踏まえて、財産の所有者が心身共に健康で十分な判断能力があるうちに生前贈与を済ませておくのも一考の余地はあるでしょう。

相続財産を効果的に減らせる

生前贈与をすることで所有者の財産が減ると、結果として相続時の財産高を減らすことにつながります。
相続税の課税財産額が減るため、効果的に相続税を節約できるというわけです。
但、次の様に贈与税は相続税よりも税率が高いことに加え、不動産贈与の場合は登録免許税や不動産取得税も必要となるのでコストが高くなり注意が必要です。

不動産を生前贈与したときと相続したときの税金の違い

不動産を生前贈与したときと相続したときの税金の違い

生前贈与と相続には、発生のタイミング以外にも税の種類に違いがあります。
課される税の種類は、生前贈与が贈与税、相続が相続税です。

贈与税と相続税の違い

先ほどお伝えしたとおり、贈与税と相続税は共に累進課税で、課税価格が高くなるほど税率も上がります。
どちらも最高税率は55%ですが、区分が異なるため、課税価格が同じでも税額に差が生じるでしょう。

贈与税の税率(暦年課税)

贈与税の計算方法は、まず毎年1月1日から12月31日までに受け取った贈与財産の合計額から基礎控除を差し引きます。
基礎控除額を超える部分が課税価格です。
課税価格に乗じる税率は下表をご覧いただければわかるとおり2種類あり、特例税率は親(父母)や祖父母が18歳以上の子や孫に贈与した場合に適用されます。

●贈与税の基礎控除
贈与税の基礎控除は、年間110万円です。
このとき、贈与者の数にかかわらず、受贈者が受け取った財産の合計額から110万円を控除します。
例えば、1年間に受け取った贈与財産の合計額が1000万円だとしましょう。
このとき、課税価格は「1000万円-110万円=890万円」です。

一般税率と控除額 基礎控除後の課税価格 特例税率と控除額
10% 200万円以下 10%
15% 10万円 300万円以下 15% 10万円
20% 25万円 400万円以下
30% 65万円 600万円以下 20% 30万円
40% 125万円 1000万円以下 30% 90万円
45% 175万円 1500万円以下 40% 190万円
50% 250万円 3000万円以下 45% 265万円
55%400万円 4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

相続税の税率

相続税の計算においても、まずは相続財産の合計額から基礎控除額を差し引きます。
相続税の計算は贈与税と比較するとはるかに複雑ですが、基礎控除を上回った額が課税対象となる点について違いはありません。

●相続税の基礎控除
相続税の基礎控除を計算する式は、「3000万円+600万円×法定相続人数」です。
例えば、法定相続人が被相続人の配偶者と3人の子どもというケースでは、基礎控除額が3000万円+600万円×4人=5400万円となります。
このとき、相続財産の合計額が6000万円ならば、基礎控除額を上回る600万円のみが課税対象となるというわけです。

基礎控除後の課税価格で法定相続分の按分後 税率 控除額
1000万円以下 10%
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

贈与税と相続税の仕組みを活用する

税率や基礎控除額を見ると、大きな財産は相続で渡すほうが節税できるように思えるでしょう。
しかし、譲渡相手の確実性やタイミングを考えると、生前贈与にもメリットは出てきます。

そのようなときは、贈与税の税額軽減制度を活用すると良いでしょう。
下記の制度を利用すると、生前贈与のメリットはそのままに、贈与財産にかかる税金を相続税で精算することができます。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、その名のとおり相続が発生したときに税金を精算するという制度です。
主な適用要件や非課税で受け取れる価格の上限などについては、下記をご覧ください。

●主な適用要件
贈与者:60歳以上の直系尊属(父母や祖父母)
受贈者:18歳以上の直系卑属(子や孫)

●非課税枠
以下の2種類の控除が適用されます。
①令和6年以降の贈与について基礎控除110万円(年間):毎年1月1日から12月31日までに受け取った特定贈与財産の合計額に適用
②特別控除2500万円(累計):基礎控除適用後の特定贈与財産に適用

なお、贈与財産の累計額が特別控除の上限に到達した場合は、基礎控除を上回った部分に一律税率20%の贈与税がかかります。(将来の相続税と相殺)

●相続財産への加算
特定贈与者の相続発生時に贈与時の評価ベースで年110万円の基礎控除を超える額が相続財産に加算され、相続税の課税対象となります。しかし、賃貸収入や配当収入、値上がり収入は受贈者のものなのでメリットはあります。

相続時精算課税制度の対象となる財産は、あらかじめ届出を行った特定贈与者からの生前贈与財産すべてです。
不動産の用途や財産の種類は問われません。

ただし、いったん相続時精算課税制度の届出を提出した贈与者からの贈与については、暦年課税制度に戻ることはできない点に注意が必要です。

配偶者への贈与には、贈与税の軽減制度がある

配偶者への贈与には、贈与税の軽減制度がある

家などの不動産を贈与する際に覚えておきたい減税制度として、「配偶者控除」と「住宅取得等資金の非課税」があります。
基礎控除や相続時精算課税制度との違いは、対象となる財産が居住用不動産に限られている点です。
しかし、それぞれに非課税枠が定められており、その枠内であれば贈与税がかからず、相続財産に加算されることもありません。

特に、配偶者控除は、相続時精算課税制度では対象とならない配偶者が使える数少ない制度です。
覚えておくと良いでしょう。

配偶者控除

婚姻期間として20年以上経過した夫婦の一方が、配偶者に対して居住用不動産あるいは居住用不動産取得資金を生前贈与した場合、以下の減税制度が適用されます。

●主な適用要件
・婚姻期間20年以上の夫婦であること
・生前贈与財産が、居住用不動産、あるいは居住用不動産の取得資金であること
・贈与を受けた翌年の3月15日までに、その住宅に居住していること

●非課税枠
①基礎控除110万円
②配偶者控除2000万円

このときの夫婦とは、正式な婚姻関係を結んだ戸籍上の夫婦を指し、事実婚のパートナーや内縁関係者は対象とならないことを知っておきましょう。
また、配偶者控除の適用は、同じ配偶者からの贈与については一生に一度となっています。
又、受贈した配偶者は受贈した持分に応じた維持費や固定資産税を負担しなければならなくなることも忘れてはいけません。

住宅取得資金の非課税

住宅取得金の非課税措置は、2026年(令和8年)12月31日を期限として、親など直系尊属から住宅取得用資金の贈与を受けた場合に適用される制度です。

●主な適用要件
贈与者:直系尊属(父母や祖父母)
受贈者:18歳以上の直系卑属(子や孫)

●非課税枠
省エネ住宅:1000万円
省エネ住宅以外:500万円

省エネ住宅とは、次の省エネ基準のいずれかに適合する住宅用家屋をいいます。
・断熱等性能等級4以上、または一次エネルギー消費量等級4以上
・耐震等級2以上、または免震建築物
・高齢者等配慮対策等級3以上

遺言書を作成しておくと、節税対策とトラブル防止に

遺言書を作成しておくと、節税対策とトラブル防止に

ここまで紹介したさまざまな減税制度からもわかるとおり、贈与と相続は密接な関係にあります。
そのため、相続対策として用意した遺言書が、生前贈与によるトラブルの回避にも役立つこともあるでしょう。

特別受益に対する配慮

法定相続人に対する生前贈与は、遺産の前渡しという側面も持っています。
複数の法定相続人がいるケースでは、一部の法定相続人だけが生前贈与で利益を受け取っていることで、他の相続人が不公平感を覚えるかもしれません。

そのような生前贈与を「特別受益」といいます。

特別受益の持ち戻し

他の相続人から不公平だといわれたからといって、生前贈与で受け取った財産を返す必要はありません。
その代わり、その受贈額を相続財産と合算し、その上で遺産分割を行う方法があるのです。
これを「特別受益の持ち戻し」といいます。

下記の例で考えましょう。

【例】
被相続人:父親
法定相続人:長男、長女
相続財産:5000万円
生前贈与:長男 8年前に3000万円(相続開始時は4000万円に値上り)の自宅不動産、長女 特になし

通常は、長女と長男で均等に分け、1人あたり「5000万円÷2人=2500万円」となる方法が考えられます。
しかし、長男がすでに自宅不動産を受け取っていれば、それを理由に長女が不満を募らせるかもしれません。

そこで、いったん自宅不動産の相続開始時の価値4000万円を持ち戻し、、相続財産5000万円に合算します。
次に、「(相続財産5000万円+特別受益4000万円)÷2人」で計算すると、数字上の取得額は1人あたり4500万円です。
実際は、長男は相続財産500万円+特別受益4000万円、長女が相続財産4500万円となり、不公平感は解消できます。

この民法は、あくまでも長女側から不満が出て、その不満を解消する為の法律であるので、長女側から不満が出なければ通常どおり5000万円÷2人=1人あたり2500万円相続することも可能です。

特別受益の持ち戻し免除

被相続人の指示があれば、特別受益の持ち戻しを免除することも可能です。
意思表示の形に決まりはありませんが、被相続人の意思を明確に示すことができる持ち戻し免除の旨の遺言書を準備する方法が一般的でしょう。
遺言書がある相続ではその内容を尊重するため、特別受益を含むことなく遺産分割を進めることになります。

遺留分の請求と10年

特別受益の持ち戻しが免除となっても、遺留分を侵害することはできません。
特別受益によって遺留分を侵害された相続人は、被相続人から持ち戻し免除の意思表示があっても遺留分侵害額の請求を行うことができます。

ただし、生前贈与から10年以上経過している特別受益に関しては、遺留分を請求することができません。
このことも踏まえると、やはり生前贈与は、早めに実行したほうが意味があるでしょう。

生前贈与の際の手続き、流れを解説

生前贈与の際の手続き、流れを解説

贈与は、贈与者と受贈者、双方の合意によって成立する「契約行為」です。
口約束でも成立はしますが、問題の発生や税務調査リスクを回避するために契約書を作っておくことをおすすめします。
必要な書類は贈与する財産の種類によって異なりますが、ここでは不動産贈与の手続きについて解説していきましょう。

ステップ1:契約書の作成

財産の所有者を甲、贈与相手を乙とする贈与契約書を作成します。

●契約書記載必須次項
・贈与を行う年月日
・贈与者の氏名、住所
・受贈者の氏名、住所
・贈与する財産の詳細
 土地:所在、地番、地目、地積
 建物:所在、家屋番号、種類、構造、床面積
 預金、株式の場合は金額や銘柄、株数など
・贈与の方法(登記手続を行う日、固定資産税の負担を切り替えるタイミング、預金の場合は送金先、株の場合は証券会社名など)

ステップ2:不動産の名義変更

不動産について贈与契約書を交わした後は、不動産登記簿上の名義を変更するために「所有権移転登記」という手続きを行います。
登記には、次の書類が必要です。

●登記手続必要書類
・登記申請書
・土地の贈与契約書
・贈与する土地の権利書(登記識別情報又は登記済証)
・贈与する土地の固定資産評価証明書
・贈与者の印鑑証明書
・受贈者の住所証明情報

●登記にかかる費用
・登録免許税:不動産の課税価格×税率(2%)
・不動産取得税:不動産の課税価格×税率(土地・住宅3%(※)、非住宅家屋4%)
※2027年(令和9年)3月31日までの特例措置

登記は自分でもできますが、登記申請は、原則として贈与する不動産を管轄する法務局で行います。
専門的な知識が必要となるため、司法書士に依頼すると安心です。

生前贈与をするときの注意点

生前贈与をするときの注意点

生前贈与は、メリットばかりではありません。
以下の点は、状況によってはデメリットとなる可能性もあるでしょう。

暦年課税の相続財産加算

2024年(令和6年)の税制改正により、令和6年以降の贈与について暦年課税で取得した生前贈与の相続税加算期間が3年以内から毎年1年ずつ延長され最終的には7年以内へと延長されることとなりました。
延長された4年間については、従来と加算方法が違うので、注意が必要です。

●対象者
贈与者が死亡し、相続または遺贈によって財産を受け取った人

●対象となる生前贈与
その相続における被相続人から暦年課税によって受け取った下記の生前贈与
・相続開始前3年以内における贈与財産のすべて
・相続開始前4年から7年以内における贈与財産の合計額から100万円を控除した額

贈与時に基礎控除額を下回り非課税で受け取った生前贈与も加算対象です。

贈与税を非課税にする代わりに相続税で精算をする相続時精算課税制度とは、本質的に異なります。

小規模宅地等の特例が使えない

小規模宅地等の特例とは、相続によって取得した不動産の価値を減額することができる制度です。
厳密な適用要件がありますが、もし適用が認められれば大幅な節税につながります。

ただし、贈与によって取得した土地には適用されません。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、被相続人と同居していた配偶者や同居親族が、これまで暮らしていた自宅不動産を取得する際の税負担を大幅に軽減する制度です。
また、被相続人と共に事業を行っていた親族が、事業を継承する際の税額軽減にも役立ちます。
適用要件や対象物件は以下のとおりです。

●主な対象者
・被相続人の住居を相続した配偶者や同居相続人
・被相続人の事業を継承した相続人など

●対象物件と減額率
適用要件を満たす場合、財産の評価額を下記の割合で減額
・被相続人の住居:80%(330平方メートルまで)
・被相続人の事業所:80%(400平方メートルまで)
・被相続人の貸付事業所:50%(200平方メートルまで)

必ずしも節税になるとは限らない

生前贈与のメリットは多々ありますが、節税を主な目的として行うケースが多いのではないでしょうか。
しかし、生前贈与の方法や贈与額、タイミングによっては、必ずしも節税になるとは限りません。
実行する前に、生前贈与と相続におけるあらゆるパターンをもとに税額のシミュレーションを行うことが大切です。

しかしながら、相続税の計算方法は複雑なため、基礎となる知識がないと難しいでしょう。
節税を効果的に行うためには、相続税と贈与税、さらに土地や家といった不動産の評価についても熟知するプロの力を借りることをおすすめします。

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ただし、税には種類が多く税理士それぞれに得意分野が異なるため、相続税専門の税理士でなくては意味がありません。

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