個人事業財産の遺産分割方法の提案
個人事業主が死亡したらのんびりしてられません。例えば①商品も遺産なので遺産分割協議を終えるまで全相続人の共有となり売れない②売掛金や器具備品なども分割協議までは全員のもの③従業員の雇用保険手続き④税務署に青色確定申告の届け出が死亡から2~4か月以内に必要 などです。相続のその瞬間はスピードや相続手続きの慣れが重要です。
個人事業財産の遺産分割
被相続人が個人事業者だった場合は、土地・建物・在庫・備品・機械・レジ内現金・事業用預金・売掛金・車両など事業専用に使っていた遺産の遺産分割協議は、可能ならできるだけ急ぎましょう!
個人事業者の場合の手続手順
被相続人が個人事業者だった場合の相続手続について説明します。
① 被相続人が確定申告義務者である場合、死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、死亡後4か月以内に確定申告をする必要があります。
又、
② 確定申告以外の手続きについては、被相続人が不動産以外の一般事業主だった場合は、少々複雑な問題となり、できるだけ速やかな手続が必要です。具体的には、被相続人の事業の承継者について、相続人全員で急ぎ協議をして、決める必要があります。というのも・・・
お客様に商品を売れない?!
個人事業主が死亡した場合、たとえばタバコ屋さんを営んでいたとすれば、わずかタバコ1箱でも相続人全員の遺産となります。被相続人が死亡した翌日から、たとえ1箱のタバコでも勝手に売ることができなくなるのです。
又、従業員を雇っていた場合は、従業員の給料が滞らないように支払義務者、つまり債務承継者を早急に決めて、従業員に給料を支払う体制を整えてなくてはなりません。
取引先に対して商品を掛け売りしている場合には、その売掛金の回収を、逆に掛け買いをしている場合には買掛金の債務の履行もしなければなりません。
また、小切手を切っている場合はさらに要注意です。被相続人の口座は、死亡と同時に凍結されるので、小切手の引き落としができなくなり、取引先の信用を失います。
こうした一連の事態を回避するため、相続の申告期限に合わせるのではなく、できるだけ速やかに手続をしていきたいところです。
青色申告の場合は要注意
確定申告関連の手続は、具体的に次のとおりです。
まずは消費税の死亡届出、被相続人の消費税・課税事業者の届出をします。そして、原則1か月以内に、被相続人の所属税の廃業届出、相続人の所得税の開業届出が必要です。
死亡 | ||
速やかに |
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1か月以内 |
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重要 4か月以内 |
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重要 相続発生の 年末まで |
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翌年の 3/15まで |
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[ 注 ]
●相続人の所得税の青色申告承認申請届出の提出期限
- ①被相続人が白色申告の場合は相続発生日から2か月以内
- ②被相続人が青色申告の場合は、以下のとおり
相続発生日が1月1日〜8月31日 … 相続発生日から4か月以内
相続発生日が9月1日〜10月31日 … 相続発生年の12月31日まで
相続発生日が11月1日〜12月31日 … 翌年2月15日まで
●消費税 … 被相続人が課税事業者でない場合も、相続人との基準期間の課税売上高の合計額によっては納税義務が生じる場合があります
重要!4か月以内にしなければならない手続き
さらに重要になるのは、4か月以内にしなければならない手続きです。
被相続人の所属税・消費税の準確定申告・納税を行いますが、これは相続人全員が連帯責任を負うので、全員の署名と認印の押印が必要です。併せて、事業承継者が決まっている場合は、相続人自身による所得税の青色申告承認申請届出が必要になります。相続人が確定申告上で青色申告を適用する場合に限って、要注意事項がひとつあります。それは、事業後継者である相続人の同居家族を事業専従者とする場合です。給料を払う予定の事業専従者がいる場合は、この青色申告承認申請届出と併せて青色事業専従者の届出も必要です。そうしないと、たとえ給料を払っても事業上の経費として認められなくなってしまいます。
青色申告承認申請の期限は、4か月以内ではないケースがあります。
相続発生日によって次の通り申請期限が変わりますので、ご注意ください。
相続発生日 → 申請期限
●1月1日〜8月31日 → 4か月以内
●9月1日〜10月31日 → 発生年の12月31日
●11月1日〜12月31日 → 翌年の2月15日
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