同族法人が土地建物を利用している場合の遺産分割
被相続人が自社が利用している土地や建物を持っていた場合は、他の相続人と共有相続など止めて現代表者または次期代表者がすべて相続し、相続納税資金に困ったら自社に買い取らすか家賃で相続税を分割納付するという方法があります。もし、他の相続人に相続されてしまっては延々と家賃や地代を払う必要に迫られます。
法人の自社株や事業用土地・建物も全て相続を!
被相続人が法人を経営していた場合に注意したいのは、被相続人が自社株や事業用不動産を持っていた場合、その自社株の持株割合は、相続後の法人運営や支配権にそのまま影響するということです。
つまり法人の場合、発行済株式の3分の2以上を後継者、もしくは後継者の家族で保有しておかないと、議決できない項目がたくさんあるのです。ですから、一歩間違えると誰の事業なのか、誰の会社なのかわからなくなってしまいます。
そのため、法人や事業を承継した相続人は、自社株はもちろんのこと事業用土地や担保不動産もすべて相続することをおすすめします。事業用不動産を他の相続人と共有で相続したり、他の相続人が単独で相続してしまうと、後に事業がうまくいかなくても高額の賃貸料を要求される可能性があることを意味するのです。
また、建て替えや増築、改築、内部造作の変更などの際にも、いちいちその相続人の承認を得なければなりません。事業資金が必要になって、担保を新たに入れる場合も同じです。いちいち担保不動産を所有する相続人に対して、実印と印鑑証明付きで同意を得なければならないのです。また、その相続人が死亡すると、今度はその配偶者もしくは子どもにまた同意を得なければなりません。一にも二にも、自社株や事業用不動産については事業承継者が相続するのがベストだと覚えておいてください。
法人に貸付金などがある場合
法人に貸付金などがある場合にもふれておきましょう。
法人の設立が節税目的であれ、所得分散目的であれ、また、従来からある事業の法人であれ、会社の決算書を見ると、被相続人が会社にお金を貸し付けているケースが多々あります。貸借対照表に、役員借入金や短期借入金、未払金といった科目で計上されています。
被相続人にしてみると、これは会社に対して債権を持っていることを意味します。被相続人の死亡までの間に正式な債権放棄の手続をしておかない限り、遺産分けの対象になるうえ相続税の課税対象にもなります。
これらの債権もやはり事業承継者がしっかり相続したいところですが、将来においてその貸付金の回収が困難な場合は、生前に債権放棄をするなどして、無駄な相続税を払わないような対策なりを考えておかなければなりません。
とはいえ、なかなかそこまで手が回らないケースも多いようです。本来であれば顧問をしている会計士や税理士が気づくべきところですが、通常は経理と法人税の申告のみ意識している人が多いようです。法人の代表者は貸借対照表をしっかり把握する、もしくはしっかり貸借対照表の説明を受けておくべきだと考えます。
≪関連ページ≫
●代表取締役や大株主などの死亡で発生するリスク はこちら>>>
●クリニック(個人・法人)の相続発生の前後別の承継・閉院のコンサルティング
●相続の遺産分割の留意点
遺産分割協議の関連ページ
- ①遺産分割協議書の作成の提案と相続の仕方の基本を解説
- ②遺産分割協議の提案/相続納税を意識した遺産分割の提案・相続税連帯納付義務の驚異
- ③遺産分割協議の提案/相続評価以外の価値や、生前贈与・介護などの寄与分も考慮した遺産分割の提案
- ④遺産分割協議の提案/相続人を決めた方が良い財産の一部分割協議の提案
- ⑤遺産分割協議の提案/税務に留意した遺産分割協議書を作成
- ⑥遺産分割協議の提案/遺産分割検討表を作成
- ⑦遺産分割協議の提案/数次相続(続けて相続発生)の遺産分割協議
- ★二次相続(2次相続)を見据えた「相続財産の遺産分割方法」の提案
- ★一次相続(1次相続)+二次相続(2次相続)の合計の相続税の最適な遺産配分を
- ★同族法人が土地建物を利用している遺産分割
- ★個人事業財産の遺産分割方法の提案
- ★相続税の申告_作成から提出・手続の方法、10ヶ月の流れを解説
相続税申告・相続手続きの
サポート7つ
亡くなった方から相続や遺贈によって財産を取得した場合にかかる「相続税」。
その申告と納税は10ヶ月という限られた期間内で終える必要があります。
相続ステーションⓇでは、相続税申告累計3,000件超を超える実績と豊富な経験・ノウハウがございます。
相続専門の税理士がお客様に合ったサポートを提案しています。
相続税申告
トータルサポート
このサポートを詳しく見る
土地相続のコツは、
土地評価の減額・
節税・遺産分割
このサポートを詳しく見る
遺産分割サポート
このサポートを詳しく見る
税務調査対策
このサポートを詳しく見る
書類取得の代行
(遺産整理・遺言執行)
このサポートを詳しく見る
不動産相続、
農地・生産緑地の相続、
不動産の売却
このサポートを詳しく見る
その他の相続税
・相続の関連項目
このサポートを詳しく見る
相続対策・生前対策の
サポート6つ
相続税や争族は、生前対策次第で、かなり軽減できます。
相続ステーションⓇでは、様々なメニューの中から、財産内容やご相続人の状況に合った最適なサポートを提案しています。