贈与申告財産の確認(開示請求)
相続時精算課税贈与や相続発生前3年以内の相続人宛の暦年贈与は相続税申告時に課税財産に加算する必要があります。しかし、遺産分割で争っている場合は、それらを自ら言うと不利になるため不明なときも少なくありません。そのような場合、当事務所では「相続税法49条開示請求」という制度を活用しています。
贈与申告財産の情報開示請求
相続税の申告や更正の請求(還付請求)をするには、自分だけでなく、他の相続人や死亡保険受取人が被相続人からもらった次の贈与財産も加味する必要があります。
・相続開始前3年以内の贈与 …生前贈与財産の加算と贈与税額控除
・相続時精算課税贈与 …相続時精算課税制度の贈与を活用した相続税節税の実施(賃貸建物・値上り土地・自社株など)
しかし、相続に関し争っている場合などでは生前に被相続人からもらった財産は遺産分割の協議上、「特別受益」として遺産の先もらいの扱いを受ける為に上記の受贈財産を互いに明かさず相続申告を適正に行えない事があります。
そこで「相続税法49条開示請求」という手続きを税務署に対して行うことで他の相続人の贈与税の申告内容が開示されるわけです。開示の主旨は、あくまでも適正な税申告ですが、その内容は遺産分割協議に用いることも自由です。
開示請求の方法
被相続人の住所地の所轄税務署に対し所定の「開示請求書」を添付書類と共に提出します。
添付書類
・遺産分割協議書又は遺言書
・未分割又は遺言無しの場合は開示請求者及開示対象者の戸籍コピー
・開示請求者の住民票コピー、個人番号又は免許書コピー
開示される内容
相続人の内、開示請求対象者が被相続人から受贈した
・直前3年以内の贈与財産の総額
・相続時精算課税贈与適用額の総額
留意点
- ①あくまでも贈与税の申告をしている財産のみの開示の為、無申告や110万以内贈与申告不要分は開示されない
- ②受贈者別・受贈年別の開示は無く、開示請求対象者全員の「3年以内暦年贈与合計」「相続時精算課税贈与合計」の開示であること
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