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株の相続で必要な手続きとは?計算方法や評価額をわかりやすく解説

遺産相続では、亡くなった人の財産はすべて相続の対象となります。
現金や普通預貯金と並んで、株式などの有価証券を相続するケースは、決して珍しいことではないでしょう。
しかし、株式投資をしたことがない相続人にとっては、株式を相続することは不安かもしれません。
そこで、本記事では株式を相続する際の手順や注意点、相続税の計算方法などを詳しく解説します。

株式の相続とは 相続するメリットとデメリットとは

株式の相続とは 相続するメリットとデメリットとは

親や配偶者が亡くなると、その所有財産を子や親族が承継するための相続が始まります。
この時、相続の対象となる財産は、現金や預貯金、家屋や土地などの不動産、書画骨董品、宝石貴金属、知的財産権など経済的価値に換算できるものすべてです。

被相続人(亡くなった人)が株式投資を行っていた場合は、被相続人名義の株式も相続の対象に含まれます。
しかし、株取引をしたことがない相続人にとっては、どのように扱ってよいのかわからず戸惑うことも多いのではないでしょうか。

まずは、株式を相続することで、どのようなメリットとデメリットがあるのかを説明します。

株式によってメリット・デメリットが異なる

株式を相続する場合、上場しているかどうかが重要です。
上場株式は金融商品取引所(証券取引所)で公開されており、個人投資家が自由に売買できます。

一方、非上場株式は一般に公開されていないため、個人投資家が取引することはできません。
通常は、非上場株式(非公開株)を発行している企業の役員や社員、関連会社の役員など、限られた範囲の人が保有しています。

相続する株式の公開状況によって、メリット・デメリットも大きく変わることになるでしょう。
以下に、上場株式と非上場株式のメリット・デメリットを比較してまとめました。

上場株式を相続する場合のメリット・デメリット

上場株式は、株式市場での売却を通じて現金化しやすいという点がメリットの1つです。
相続後、名義変更してすぐに売却を決めれば相続税の納税資金や当面の生活費として役立ちます。
あるいは、しばらくの間そのまま保有するのなら、将来的な値上がりによる資産価値の増加が期待できるでしょう。
また、株式の配当方針や発行企業の収益状況によっては、配当金の分配や株主優待などを受け取れる可能性もあります。

一方、上場株式を相続することの最大のデメリットは、市場価値が安定しないという点です。
株式価格は相場の変動で大きく変わる可能性があります。
株式取引に「絶対」や「必ず」ということはなく、価値が上がって得をする可能性があるのと同じくらい、価値が下がって損をする可能性もあるのです。
また、株式のために特別に証券口座を開設したり、利益が生じた場合には税金を払ったりと、手間や出費が高くなる点がデメリットだと感じる人もいるでしょう。

非上場株式を相続する場合のメリット・デメリット

非上場株式は、被相続人が経営していた事業を引き継ぐ相続人が取得するパターンが一般的です。
これにより、その後も継続して業務を行うことができる上、株主として議決権や配当期待権などさまざまな権利を受け継ぎます。
非上場企業は市場の影響を受けにくく、株価の変動も少ないという点もメリットです。

その反面、自由に売買できないという大きなデメリットがあることも認めざるを得ないでしょう。
急な資金需要が発生しても、非上場株式はすぐに現金化できるものではありません。
相続財産としての評価が難しく、評価のブレによって相続税額が大きく変わるため、非上場株式の評価に詳しい専門家のサポートが不可欠です。

相続するために必要な手続きと流れ

相続するために必要な手続きと流れ

株式を相続するケースでの相続手続きは、次のような流れで進めます。

1.死亡届の提出

被相続人が亡くなったことを役所に届けましょう。
この手続きにより、戸籍に死亡したことが記録され、相続手続きを進める準備が整います。

2.遺言書の有無の確認

被相続人が生前に遺言書を作成していたかどうかを確認します。
自筆証書遺言は、被相続人の自宅や自室などで保管されていることが一般的です。
法務省の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、遺言者(被相続人)が指定した相続人に遺言書がある旨の通知が行われるため探しやすいでしょう。
また、公正証書遺言が作成されている場合は、公証役場にて検索すればわかるようになっています。

遺言書は、遺産分割において遺産分割協議よりも優先されるなど、大きな影響力を持っているため相続開始後すぐに探すことが重要です。

3.法定相続人の確定

相続人は、その範囲と順序を民法によって定められており、これを「法定相続人」といいます。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得することで、法定相続人に該当する人の確認が可能です。
相続人に該当する人の戸籍謄本も集めておきましょう。

4.相続財産の調査と評価

被相続人が所有してた財産を洗い出し、一覧表や目録を作成します。
現金や預金・貯金は価値の評価が簡単ですが、なかには専門家に依頼しなければわからないものもあるため、早めに動いておくと安心です。

株式については、種類や保有数を確認し、証券会社から残高証明書を取得しておきます。
ただし、非上場株式については発行会社に株数を確認する必要があります。

5.遺産の分割

重要なことは、遺言書の有無です。
もしも、被相続人が作成した遺言書の中で遺産の受け取り先を指定している場合は、そのとおりに遺産分割を進めます。
一方、遺言書の作成がない、あるいは遺言書の中で遺産分割の指示がないという場合は、遺産分割協議が必要です。

遺産分割協議では、誰がどの財産をどのくらい受け取るのかを、相続人全員で合意に達するまで話し合います。
全ての相続人が納得する分割方法ができたら、遺産分割協議書を作成しましょう。

6.株式の名義変更手続き

上場株は証券会社から書類を取り寄せ、株式の名義を変更するための手続きを行います。
株式の種類や発行会社によっては異なる手続きが必要なケースもあるため、事前の確認を徹底することが大切です。
非上場株は発行会社に連絡して株主名簿を書き換えてもらいます。

7.相続税の申告・納付

相続税には基礎控除があります。
相続財産総額から基礎控除金額を差し引いて、残った部分が相続税の課税対象です。
財産の総額が控除される金額を下回る場合は、原則として申告も納税も必要ありません。

株式を相続する際の必要書類とは

株式を相続する際の必要書類とは

相続手続きのために用意する書類は、遺言書の有無や内容によって異なります。
一般的に必要となる主な書類は、次のとおりです。

●遺言書による相続
・遺言書(写し):公正証書遺言、自筆証書遺言の場合
・遺言書情報証明書(写し):自筆証書遺言書保管制度を利用している場合
・検認済証明書(写し):自筆証書遺言の場合
・被相続人の死亡が確認できる書類(原本):除籍謄本、住民票除票、死亡診断書など
・遺言執行者選任の審判書(写し):審判により選任されている場合
・遺言執行者の印鑑証明書(原本):6カ月以内に発行されたもの
・相続人の印鑑証明書(原本):株式を相続する相続人全員(遺言執行者がいない場合)

●遺産分割協議による相続
・遺産分割協議書(写し)
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(写し)、または法定相続情報一覧図(写し)
・法定相続人全員の印鑑証明書(写し):6カ月以内に発行されたもの
・相続人の印鑑証明書(原本):株式を相続する相続人全員

以上の書類とは別に、証券会社が指定する申請書・届出書等が必要な場合があります。
また、資産を受け継ぐ相続人が、証券会社に口座を持っていない場合は、新規口座開設のための手続きも必要です。

株式の相続税評価を解説

株式の相続税評価を解説

相続財産の価値は、実際の取得費用ではなく相続開始時点での時価によって評価します。
この評価額によって相続税の額が決まるため、慎重かつ適正に行うことが大切です。

上場株式と非上場株式では、その評価方法はまったく異なります。
それぞれの評価方法は、次のとおりです。

上場株式の評価

上場株式の相続税としての評価額は「1株あたりの評価額×保有株数」で算出します。
日々価格が変動する株式では、どのタイミングの価格を採用するのかという点が重要です。
税の評価においては、相続税の課税時期を相続開始日(被相続人が亡くなった日)として、以下の4つのうち最も低い価格を採用します。

●上場株式の相続税評価
次の4つのうち、最も低い価格に保有株数を乗じて算出
①相続開始日の終値
②相続開始日の属する月の終値平均額
③相続開始日の属する月の前月の終値平均額
④相続開始日の属する月の前々月の終値平均額

株式市場が閉じている土日祝日は、最終価格がありません。
そのため、課税基準日が土日祝日になる場合は、最も近い平日の終値で計算します。

株価の確認方法

上場株式の価格は、インターネット上に公開されているため、誰もがすぐに入手可能です。
証券会社の商品検索ページでも閲覧できますし、サーチエンジンの検索窓に「発行企業名・株価」と入れるだけでも直ちに表示されるでしょう。

また、東京証券取引所などが所属する日本取引所グループのホームページで提供されている「月間相場表」では、月ごとの終値平均の確認ができます。

配当金の確認

株式銘柄によっては、配当金が設定されていることもあるでしょう。
まだ受け取っていない配当金は、相続財産として相続税の課税対象です。
配当金の有無や1株あたりの配当額は、価格と同様に企業サイトや証券会社のホームページで開示されています。
配当金があることがわかったら、証券会社に連絡して「未払い配当金残高証明書」を請求しましょう。

非上場株式の評価

発行会社の総資産価額、従業員数、取引金額などに応じて、下記の3種類の評価方式を用います。

●類似業種比準方式
類似業種比準方式とは、その名のとおり、類似業種の株式を基準に計算する方法です。
上場している類似業種の財務データや株価を基に、非上場企業の株価を推定します。

●純資産価額方式
企業の資産から負債を差し引いた純資産の価額を基準として、株式の評価額を算出する方法です。

●配当還元方式
特例的な方法として、その株式を所有することによって受け取る1年間の配当金額を、一定の利率で還元して評価する方法もあります。

いずれにせよ、株式に関連する情報が公になっている上場企業と違って、非上場株式は必要な情報が開示されていないため、評価は困難です。
相続財産の中に非上場株式がある場合は、相続と税務に関する知識を持った専門家に相談しましょう。

株式の相続税の計算方法とは

株式の相続税の計算方法とは

株式を含む相続財産の評価額が出揃ったら、相続税額の計算を行います。
相続税の計算は少々複雑ですが、次のように段階を踏んで行うとわかりやすく進めることができるでしょう。

●ステップ1:相続財産総額の算出
被相続人の所有財産をすべて評価して、合計します。
株式だけでなく、投資信託や債券などの有価証券も忘れずに計上しましょう。

●ステップ2:基礎控除額の計算
相続税の基礎控除を求める式は、「3000万円+600万円×法定相続人数」です。
実際に財産を相続するかどうかにかかわらず、法定相続人に該当する人数で計算します。

●ステップ3:課税遺産総額を求める
課税遺産総額とは、相続税の対象となる金額のことです。
「相続財産総額-基礎控除額」によって求めることができます。
この時、計算結果が0になる場合は、相続税はかかりません。

●ステップ4:相続税総額の算出
法定相続人は、その組み合わせに応じた相続割合が定められています。
「課税遺産総額×法定相続分(相続割合)」で課税遺産総額を相続人ごとにあん分しましょう。
次に、「相続人ごとの課税遺産額×相続税率」で、相続人ごとの相続税額を算出します。
最後に、相続人全員分の相続税額を合算し、相続税総額を出しましょう。

●ステップ5:実際の取得額に応じた相続税額の計算
遺産分割によって、相続人各自が実際に取得した財産の割合に応じて、ステップ4で求めた相続税総額をあん分します。
これが、相続人それぞれが納めるべき相続税額です。

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株式の遺産分割方法や注意点

株式の遺産分割方法や注意点

遺言書によって、株式の相続先が指定されていた場合は、それに従います。
遺言書がない場合は、遺産分割協議によって分けることになりますが、株式の場合は以下の3種類の方法での分割が可能です。
注意すべきポイントと合わせて紹介しましょう。

●現物分割
不動産は長男、株式は長女、現金は配偶者などのように、相続財産を現物のまま相続します。上場株の銘柄ごとや株数で相続人を決めることもできます。
現物のままでは均等に配分できるとは限らないため、誰かが不公平感を募らせるかもしれません。

●換価分割
遺産の全部または一部を売却し、現金化してから複数の相続人の相続分に応じて配分するという方法です。
その財産を現物のままでは利用しないケースに適しています。

●代償分割
遺産の全部または一部を特定の相続人が取得する代わりに、他の相続人には不足分を代償金として支払う方法です。
その財産を分割したり売却したりしたくない場合に、有効でしょう。

株式の相続に関する節税対策や特例とは

株式の相続に関する節税対策や特例とは

株式の相続で適用を受けられる特例のうち代表的なものは、「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例」いわゆる「事業承継税制」です。
これにより、被相続人の事業の後継者が、相続や遺贈によって非上場株式を取得した場合に、一定の要件を満たすことで相続税の納税猶予あるいは免除を受けられます。

ただし、後継者や経営見通しについて記載した「特例承継計画」などを策定する必要があるなど、要件は厳格です。

株の相続でお困りの際はプロにご相談ください

株の相続でお困りの際はプロにご相談ください

株式を相続する場合、上場企業の株式か、非上場企業の株式かという点が重要なポイントになります。
相続によって上場株式を取得する場合は、それほど大きな問題は起こらないでしょう。
しかし、非上場株式が相続財産に含まれている場合は、トラブルを防ぐためにも経験が豊富なプロに相談することをおすすめします。
相続や事業承継、税金に詳しい税理士なら、非上場株式の相続を適切に扱うことができるはずです。

もしもすでに信頼する税理士事務所や法人があり、そこが相続を専門にしているのであれば、電話などで相談してみてもよいでしょう。
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寺西 雅行

この記事を監修した専門家

寺西 雅行

税理士法人プラス 代表税理士
(株)相続ステーション 代表取締役
行政書士法人サポートプラス 代表行政書士

1962年生 同志社大学卒業。学生時代から25才までの間の3度の相続で自身が相続納税や借地人・借家人・農地小作人との折衝に苦労した経験から、不動産に詳しい相続専門税理士の必要性を痛感。
税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、ライフコンサルタント(生命保険)、証券外務員資格、M&Aスペシャリストの8種類の資格を有する相続・遺言・後見・不動産など財産に関する総合エキスパートとなる。
弁護士・会計士・税理士からの業務依頼や銀行からの相談、TVメディアからの解説依頼多数。

著書『相続専門の税理士だから言えるリスク回避の処方箋』
『相続トラブルSOS~専門の税理士がやさしく解説~』
『相続119番~誰にも聞けなかった相続の悩みを一挙に解決!』

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亡くなった方から相続や遺贈によって財産を取得した場合にかかる「相続税」。
その申告と納税は10ヶ月という限られた期間内で終える必要があります。
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