遺贈の放棄
遺贈とは遺言で財産を取得させることですが、遺贈を放棄する手続きは①特定遺贈(財産を特定して取得させること)②包括遺贈(遺産の2分の1ずつを子二人になど)とで異なります。①は期限なく遺言執行人や他の相続人に意思表示すればいいだけですが②は遺贈を知ってから3ヵ月以内に家庭裁判所に放棄の申述書を提出する必要があるので要注意です。
遺贈の放棄
遺贈とは、わかり易く言えば「遺言で財産を取得させること」です。
せっかく遺言で財産を与えてくれるわけですから、そのままもらえばいいのですが、中には「いらない」と言う方もいらっしゃいます。
そこで、ここでは『遺贈の放棄』について説明いたします。
遺贈には次の2種類があります。
特定遺贈の放棄
特定遺贈とは、例えば「Aには自宅を、Bにはアパートを」などと、財産を特定して取得させることを指定した遺言を指します。
この特定遺贈は民法986により「遺言者の死亡後、いつでも放棄することができる」とし、期限なく遺言執行人や他の相続人に口頭や書面で意思表示をすれば足ります。(但、平成21年の東京高裁判決により相続人に対して財産を特定して「○○を相続させる」とした遺言(特定財産承継遺言)のときは3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄申述が必要)
他の相続人にすれば放棄する or しないの意思表示は早目にして欲しいと思われるので、遺言執行人などは民法987により「放棄する場合は○○日以内に書面により意思表示を」と催告期限を設けることも可能。
他方、遺贈の放棄をされた、その財産は、民法995により「遺言に別段の定めがない限り、相続人に帰する」ことになります。
包括遺贈の放棄
包括遺贈とは、「遺産の全てをAに」や「遺産の1/2ずつをAとBに」など、AやBにしてみればプラス財産・マイナス財産ひっくるめて受け取る内容になっている遺言を指します。
包括遺贈の場合は、相続放棄と似ていて民法915により「包括遺贈があったことを知った日から3ヶ月以内に承認 or 放棄しなければならない」とし、相続後に遺言書を見た日から3ヶ月以内に遺言者の最後の住所地の管轄家庭裁判所に放棄の申述書を提出する必要があります。
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●相続放棄とは?メリット・デメリットや限定承認との違いも
●相続放棄の手続きと必要書類
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