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税務調査とは?調査の対象・内容・ポイントなどを詳しく解説

税務調査とは、納税の正確性と公平性を保つチェックシステムのひとつです。
一般的には、税務署の調査担当者が納税者のもとを訪れ被相続人や相続人の通帳の提示を求めています。結果、申告内容について漏れが疑われる場合は税務署も独自に取引銀行から資料を入手し、修正申告を促す、というもので、納税者には極めてストレスがかかるものです。
加えて、故意に資産を隠し虚偽申告をしてしまった場合は、重いペナルティーまで課されます。
この記事では、相続税申告における税務調査対策として大きな効果がある「税理士の意見書面」の解説や税務調査が省略される流れについて詳しくお話します。

どんな人が対象になる?特徴を解説

どんな人が対象になる?特徴を解説

相続税は、亡くなった人(以下、被相続人)の財産を相続人が取得した際にかかる税金です。
そのため、相続があったすべての人が、相続税に関する税務調査の対象となり得ます。
とはいえ、調査担当者の数も時間も有限ですから、税務調査を行う必要性が高い人から優先的に調査の対象となるのは当然でしょう。
この場合、調査対象になりやすい人として、次のような人が挙げられます。

税務調査の調査対象にされやすい人の特徴

下記の条件に、1つでも心当たりがある人は特にご注意ください。

①遺産総額が3億円以上の人
②金融資産が1億円以上の人
③借入控除前の遺産額が10億円以上の人
④複数の不動産を保有している人
⑤生前、1回あたり50万円以上の出金を頻繁にしていた人
⑥過去10年以内に、不動産や株式を売却している人
⑦過去10年以内に、退職金を受け取っている人
⑧過去の収入のわりに、本人名義の財産が少ない人
⑨配偶者や子の収入が少ないわりに、配偶者・子名義の財産が多いという人
⑩配偶者が高齢者
⑪生前の職業が、会社経営者、不動産賃貸業、医師・歯科医師、金融機関(銀行・保険・証券会社)勤務だったという人
⑫「財産債務調書」や「国外財産調書」を提出したことがある人

●財産債務調書

財産債務調書とは、一定基準以上の資産を持つ人が提出を義務づけられている書類です。
その年の所得金額が2000万円を超え、有価証券など1億円以上の資産を含む財産高が3億円以上だという人は、「保有財産の種類、数量、価格、有価証券の銘柄等」「債務の金額」「財産の所在」などをマイナンバーと共に調書に記載し、税務署に提出しなければなりません。

●国外財産調書

国外財産調書とは、国外に5000万円を超える財産を持つ人が提出を義務づけられている書類です。現金預金、不動産、有価証券のほか、骨董品や貴金属類など、年末の時点で国外にある財産のすべてを記載しなければなりません。
財産債務調書と国外財産調書のどちらも対象となる人は、重複する部分を省略することができます。

相続税適正課税の取り組み

「財産債務調書」や「国外財産調書」の提出は、相続税適正課税のための取り組みのひとつであり、国税庁では、他にも所得税の納付状況や国内外の金融口座情報などをデータベースに蓄積して、将来の相続税適正課税を図っています。

また、2015年(平成27年)にマイナンバーが導入され、それまで複数の機関で保有していた様々な情報が紐付けられるようになりました。
2021年(令和3年)10月からは、国税庁における預貯金等照会業務がデジタル化され、各種照会業務の迅速性が向上しています。

つまり、実際に相続が始まる前から調査の準備が進められているため、申告内容との相違次項や疑わしい点があった場合はすぐに動き出せるというわけです。

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税理士意見書面を提出したら税務調査リスクは減る?

税理士意見書面を提出したら税務調査リスクは減る?

日本では、税金の多くで「申告納税制度」が採用されています。
これは、納税者側が課税額を計算し、申告、納税するという制度で、相続税も例外ではありません。
一般的に相続は頻繁に経験することではなく、親族が亡くなった混乱の中で申告と納税の準備を進めるため、納税者は心身共に大きな負担を強いられることになります。

税の専門家である税理士に依頼をすれば納税者の負担は減りますが、依頼料に見合うベネフィットがあるのかわからずに踏み出せないという人もいるのではないでしょうか。

しかしながら、相続税の申告を相続専門の税理士に依頼するということは、単純に手続きの代行を任せるだけではありません。
納税者にとっての税務調査リスク軽減効果について、詳しく解説しましょう。

税務調査リスクを下げる2つの書面

相続税申告用紙には、税理士名と共に「税理士法第30条の書面」および「第33条の2の書面」の提出有無を記入する欄があります。
2001年(平成13年)に施行された税理士法の改正により、これら書面の存在意義が大きく見直されることとなりました。

●税理士法第30条の書面「税務代理権限証書」
納税者の依頼により、税理士または税理士法人が税務代理の権限を持っているということを明示する書類です。

この書面を提出することにより、税務署からの質疑に税理士が直接回答することができるようになります。

●税理士法第33条の2の書面「税理士意見書面」

税理士意見書面には、相続税申告書を作成する際にどのような資料に基づいて計算し、整理し、まとめたのかを具体的かつ正確に記載します。
「この数字の根拠」や「遺産分割の理由」など、数字からは読み取れない部分についても説明できるというわけです。

税務代理権限証書と税理士意見書面の効果

第1に、軽微な疑問点については、税理士意見書面に記載された情報で解決するだろうということが挙げられます。

第2に、税理士法により、意見書面が添付されている相続税申告では、意見書面を作成した税理士に意見を述べる機会を設けなければならないとされています。
つまり、予め意見書面を添付しておくことで、さらに補足説明の機会も得られるということです。

最後に、書面では疑問が解消しなかった場合でも、税理士に対応を任せることができ、納税者にはほとんど負担がありません。

添付書面の提出により税務調査を完全に回避することは難しいですが、税務調査のリスクを限りなく低減させる効果はあるといえるでしょう。
もしもの場合に税務署への対応を委ねられるという点もメリットです。

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相続税申告から税務調査省略の連絡までの流れ

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ここからは、相続税申告に必要な基本的な情報の紹介と、その後の流れについてお話します。

相続税申告に必要な基本的な情報

相続税の開始は「被相続人が亡くなったことを知った日」とされており、その翌日から10ヵ月以内に相続税の申告と納税を済ませなくてはなりません。
相続税の申告をするためには、限られた期間で次の情報の確認が必要です。

●相続人の人数
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や、法定相続情報一覧図などで、誰が相続人となるのかを確認しましょう。

●被相続人の遺言書の有無
遺言書がない場合は、相続人同士の協議によって遺産を分けることになります。
遺言書がある場合は、亡くなった人の意思に沿った相続となるため、相続開始後すぐに遺言書の有無を確認することが大切です。

●遺産と債務の額
被相続人の所有する「経済的に価値のあるもの」は、基本的に相続財産として計上します。
ただし、「債務を返済する義務」も相続することになるため、被相続人の資産状況を正しく把握しなければなりません。

税理士委任から税務調査省略まで

相続税申告時に添付書面を提出する場合は、以下の手順で進んでいきます。

税理士に依頼をする時期には、特に決まりはありません。
相続開始後すぐでも、関連情報をある程度集めてからでも、自分にとってメリットが大きいと感じたタイミングで依頼すると良いでしょう。

①税理士に依頼
相続税の申告について、税理士に依頼をします。
税といっても幅広く、税理士それぞれに得意分野を持っているため、相続に強い税理士を探すことが重要です。

②相続税申告手続き
「税務代理権限証書」と「税理士意見書面」を作成、添付して、相続税申告手続きを行います。

③調査前の意見聴取
申告内容について疑問点があった場合、通常ならば税務署から納税者に通知がいきます。
しかし、意見書面が提出されている場合は、税理士に対して意見聴取を行う旨の連絡が入り、意見聴取の日時や方法を取り決めることになり、納税者は立ち会う必要がありません。

④調査省略の連絡
意見聴取により疑問が解消した場合、税務調査が省略される旨が税理士に通知されます。

税務調査が行われる場合

意見聴取では疑問が解消しなかった場合は、税務調査が実施されることになります。

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税務調査とは何をするのか?任意調査と強制調査について

税務調査とは何をするのか?任意調査と強制調査について

税務調査と聞くと、突然に大勢の査察官が乗り込んでくるイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、映画やドラマにあるような強制調査は、いわゆるマルサと呼ばれる国税査察官によるもので、一般的な税務調査とは異なりますが、 『税理士意見聴取』を経る場合は強制調査は考えにくいものです。

任意調査

一般的な税務調査は、国税庁や税務署などの調査担当者によって、納税者の「理解と協力を得て」行うものとされています。

「任意」であるならば、拒否できるのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、調査担当者には「質問検査権」があり、法律によって税務についての質問や帳簿書類等を検査する権利が認められています。 税務調査を受ける納税者は、この質問検査権を侵害することはできません。
それどころか、財産関係書類の提示などを正当な理由なく拒んだ場合は「1年以下の懲役か50万円以下の罰金」を科される場合もあります。

任意調査ではあっても、実質、拒否はできないということです。

税務調査の目的

税務調査の目的は、公平かつ適正な納税が行われるように、過ちや不備を指摘し指導することです。
ここまでお話してきたとおり、申告納税制度では納税者自身が税額を計算するため、単純なミスや見落としがある可能性を否定できません。

税務調査とはテストの答え合わせのようなものです。
悪意のないミスであれば、みつかっても修正して納税し直せば良く、むやみにおそれることはありません。

税務調査の時期や方法

税務調査の時期は、相続税の申告を行うべき期日から1~2年以内に実施されるケースが多いようですが、一概にはいえません。

税務調査には程度に応じていくつかの方法があり、相続税では主に次の調査が行われます。

●実地調査
国税庁の報告書によると、2020年度(令和2年度)では実地調査件数の87.6%で違法性のある申告がみつかり、1件あたり943万円の追徴税が課されています。

●簡易な接触
『税理士意見書面』を提出していない場合、文書や電話による連絡、または税務署内での面接で、申告内容の確認を行うだけの場合は「簡易な接触」といいます。 前述の国税庁の報告では、簡易な接触でみつかったミスや不備の指摘、あるいは不明点の確認で終わるケースも多い様です。

面接を求められた場合は管轄税務署まで必要書類を持参することになりますが、必要書類の提出だけで済む場合は郵送やe-Taxを利用することも可能です。

調査終了後の申告と納税

調査の結果、申告内容に誤りがあったと判断された場合の対応についても説明しておきましょう。

●修正申告
税額を、実際よりも少なく申告、納税していた場合の手続きです。

●更正請求
土地評価が誤っていた場合などは、本来よりも多い税額で申告、納税していたということもあるでしょう。 その場合は、更正請求という手続きを行い、納め過ぎていた税金を還付してもらいます。

加算税や延滞税の概要

通常は修正申告と不足分の納税で終了ですが、悪意があると判断された場合は加算税や延滞税などが課される場合もあります。

●加算税
加算税は、単純ミスや見落としではなく、悪意のある不正行為や無申告などを指摘された際に課される行政制裁の一種です。

名称 課税割合
過少申告加算税 0~15%
無申告加算税 5~20%
重加算税
(仮装隠蔽があった部分)
35~40%

過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合は、さらに10%加算されます。

●延滞税
定められた期限までに税金を納付できなかった場合、原則として「納税期限の翌日から納付完了まで」の日数に応じた延滞税が課されます。

納税期限の翌日からの日数 年利
2ヵ月を経過する日まで 7.3%
※2022年1月1日~12月31日までは年2.4%
2ヵ月を経過した日以降 14.6%
※2022年1月1日~12月31日までは年8.7%

不足分の納税をする必要がある場合は速やかに行いましょう。

「税務調査」が来た時の対応をプロに任せる

「税務調査」が来た時の対応をプロに任せる

相続税申告時に意見書面を添付できる制度は、税理士の権利のひとつで、税理士による“品質保証書”とも例えられています。
うまく活用することで税務調査にかかる時間や手間を省くことができるので、納税者にとっても税務署にとってもメリットがある制度といえるでしょう。
相続は、遺産や相続人の状況によって効果的な対策が異なります。
税理士のWebサイトには、節税効果の高い対策だけではなく、税務調査の回避率などの実績だけでなく、税務調査の回避率などの実績も掲載されていることが多いものです。
当社の意見書面添付率は95%を超えていますが、相続税申告を専門にうたっている税理士の中でも『意見書面』を普段から添付している税理士を探すことで、相続にまつわる様々な不安や疑問も解消されるのではないでしょうか。
どのように探せば良いかわからないという場合は、まず初回相談の無料サービスなどを利用して話を聞いてみるのがおすすめです。

 

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